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錯視ハイブリッド画像

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説明

目をつぶってすました表情が笑顔へと変わっていくように見えましたか?体を動かさなくても、画面上で操作して画像を小さくするだけで笑顔はあらわれます。目をつぶりすました表情と笑っている表情、2枚の写真を重ねて作っているから見え方が変わるのです。「ハイブリッド」画像と呼ばれています。ただし、単純に重ねているわけではありません。笑った顔の方(A)はより粗い成分だけでできている一方で、目をつぶった顔の方(B)はより細かい成分だけでできています。ハイブリッド画像(C)では、この(A)と(B)を合成しているのです。

視覚系には、画像における「細かい・粗い」という側面に対して感度が異なる、という特徴があります。専門的には、「空間周波数(くうかんしゅうはすう)」という言葉が使われています。細かいパターンは「空間周波数が高い」、粗いパターンは「空間周波数が低い」といいます。わたしたちの目は、近い距離では、比較的高い空間周波数に感度が高く、低い空間周波数に対しては感度が低くなります。そのため、通常の距離でハイブリッド画像を観察すると、空間周波数が高い成分、すなわち目をつぶった表情が顕著になります。ディスプレイから遠ざかって見る距離を長くしたり、あるいは画像を小さくしたりすると、目をつぶった表情の空間周波数が高くなりすぎて認識しずらくなります。逆に、笑顔が持つ低い空間周波数成分がちょうどよい高さになり、笑顔がはっきり見えることになります(D)。

説明図(a)(b)
説明図(c)(d)

MITのOliva教授らによって、興味深い画像がたくさん作成されています。アインシュタインとマリリンモンローが入れ替わる画像はとても楽しいできばえです。ネットで探してみましょう。

空間周波数によって、視覚系の感度を特定することができます。「視覚の空間周波数特性」とよばれています。視覚の空間周波数特性は、観察条件によって変わります。例えば、周囲が暗くなると高空間周波数成分への感度が低下します。暗いと文字が読みにくいのはそのせいです。また、いろいろな動物は、それぞれ異なる空間周波数特性を持っています。

参考文献

  • Oliva, A., Torralba, A., & Schyns, P. G. (2006). Hybrid Images. ACM Transactions on Graphics, ACM Siggraph, 25-3, 527-530.
  • 「だまし絵練習帖 ~基本の錯視図形からリバースペクティブまで~」 竹内龍人 誠文堂新光社 2010年
    この本では、ハイブリッド画像の作り方を詳しく説明しています。

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。

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