MACC'97 一般セッション(ネットワークへの応用)論文
- 複数ネットワーク事業者が競争している時のコネクション設定方式
- 荻野長生
- (株)ATR環境適応通信研究所
- 連絡先: ogino@acr.atr.co.jp
- 梗概
コネクション設定の際のユーザとネットワーク事業者間での交渉法とし
て、様々な方式が提案されている。これらの交渉方式では、リソースに対する需要量や
リソースの使用率に応じてリソース利用価格を調節することにより、トータルのユーザ
効用とネットワーク事業者の収益を最大化することができる。またネットワークリソー
スが複数存在する時は、類似の動的価格設定機構を用いることにより、各ユーザの効用
を最大化し、各ネットワークリソースから得られる収益を均等化できる。しかし複数の
ネットワーク事業者が競争している環境では、それぞれのネットワーク事業者が自分の
所有するリソースに対して互いに協調して利用価格を設定することは期待できない。本
論文では、複数のネットワーク事業者が互いに競争している環境に適用できる新しいコ
ネクション設定方式を提案する。本方式は、契約ネットプロトコルの考え方に基づいて
、ユーザとネットワーク事業者間の相互選択を可能とし、各ユーザの効用に加えて、各
ネットワーク事業者の収益を大幅に向上させることができる。また本方式では、ネット
ワークの輻輳情報を直接ユーザへ知らせることにより、協調的な価格設定が不可能な場
合でも、ある程度、各ネットワーク事業者への負荷を均等化できる。本論文では、計算
機シミュレーションを用いて、提案方式の有効性を示している。
- キーワード
コネクション設定方式、複数ネットワーク事業者、分散型リソース割り当て、契約ネットプロトコル、マルチエージェントシステムの評価
-
論文WORDファイル
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Wed Jan 21 09:37:36 JST 1998