集団の中でのコミュニケーションの発生は, 「眺める」「見つける」「近づく」「楽しむ(話す)」 の 4 つのフェーズにわけて捉えることができます. Community Organizer は, 集団の状況を視覚的に表現すると同時に, これらの各フェーズに沿った行動を促す ユーザインタフェースを提供します(図1). 画面上に表示されるアイコンは 個々の参加者の興味や関心を示したものです. これらのアイコンの配置は, 画面を眺めるユーザの関心と個々のアイコンが示す 興味や関心との関連性に基づいて決定されます. ユーザは, アイコンの離合集散の様子から, 人々の関心の移ろいやコミュニティの萌芽を感じることができます.
本システムは特に, WWW ページや メーリングリストなど既存のメディアを用いた 「こんなことを伝えたい」という積極的な情報発信だけでなく, 「この場で話を聞いている」という言わば受身の情報を アイコンとして表示できることを特徴としています.
[1] Hattori, F., Ohguro, T., Yokoo, M., Matsubara, S., and Yoshida, S.: Socialware: Multiagent systems for supporting network communities, Comm. ACM, Vol. 42, No. 3, pp. 55 - 61 (1999).
[2] 吉田 仙, 亀井 剛次, 服部 文夫: インターネットにおけるコミュニティ形成支援. 信学技報 AI 98-30, Vol. 98, No. 202, pp. 69 - 76 (1998).