百羅漢

<言語能力推定テスト(百羅漢)>

 我々は本データベースに収録されている単語親密度を用いて、個々人の言語能力を推定するテスト(百羅漢: 100 Reading Ability test for KANji words)を開発しました。テスト語は、音声で聞いた際には親密度が高いが文字で見た際には比較的親密度が低い漢字単語100語から構成されています。このテストは、この100語に対する読みを記述するテストであり、わずか10分程度で行える簡便なテストです。我々は本テストの得点が様々な言語心理学的実験の課題遂行能力と相関が高いことを既に確認しました。
 その一例を以下に示します。図4は、単語音読課題(単語をなるべく速く声に出して読む課題)における単語呈示から発声までの時間(音読潜時)を、百羅漢の得点により被験者をグループに分けて平均した結果です。図4では、前述の語彙判断反応時間や雑音中の単語認知率と同様に単語親密度による影響が見られると同時に、百羅漢の得点による単語音読潜時の差が見られます。なお、図5にこれまで我々が様々な実験の被験者を募集した際に応募してきた20代前半を中心とする男女約400名の百羅漢得点の相対頻度分布図を示します。