NTTコミュニケーション科学基礎研究所 研究内容紹介 協創情報研究部01

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s-room

センサによる実世界の状況把握技術

今、私たちが暮らす情報化社会には、映像やWeb・携帯コンテンツといった、大量の情報があふれています。しかし、実際にはいまだに情報化されていない実世界で起きている現象が数多く存在しています。これら実世界の状況をセンサで捉えて情報化することで、人間社会に様々な利便性をもたらすと考えられます。例えば環境に数多く配置されたセンサが協調して動作し得られた情報から、人に必要な情報を導き出し提供することや、人の動きをセンサを用いて理解することで、人の行動に便利なように環境に働きかけることなどができるようになります。そのためには、環境に配置された多数のセンサから情報を収集、集められた時系列の波形であるセンサの情報の内容を解釈し人が分かる情報に変換、その変換された情報を人に分かりやすく提示する必要があります。
ここでは、そのための基礎技術として環境内に設置された数多くのセンサノードを階層的な木構造として構成し、更に情報を圧縮することにより効率的に情報を収集する研究や、人の手首に取り付けたセンサの情報から今まで取得することができなかった抽象度の高い人の行動を認識する研究などを行っています。

■将来どのように使われるのか

innovative_1_1.gifs-roomの研究イメージこれまでにもセンサを用いた数多くのサービスが提供されています。加速度センサやGPSなどのセンサは携帯電話やゲーム等に使用され、それらのセンサからの情報を元に使用者に恩恵をもたらしています。s-roomで研究開発されている技術はセンサからの情報をより簡単かつ便利に利用するための基本技術です。例えば、センサの情報から具体的な人の行動を推定することで、あとから人が見直す時に一目で分かるような日記(ライフログ)を自動的に作成することができるようになります。また数多くのセンサノードから効率に情報を集めることで、消費電力を低下させ、メンテナンスフリーに近いセンサネットワークを構築することができるようになる等、様々なサービスへの応用が考えられます。

■手に着目した行動認識技術

innovative_1_2.gif手首装着型センサ人は何らかの行動を行うとき、手で日常物を使うことが多いことに着目した研究です。手に装着したさまざまなセンサを用いて日常物の利用を観測し、その情報を用いて人の行動を認識します。すなわち、センサデータを用いて人が行っている行動が何であるかを推定します。人の行動を自動的に推定することにより、遠隔地のご老人の見守りなどのアプリケーションが実現できると考えています。
例えば、手首に装着したカメラを用いて、手で使っている日常物の視覚的な情報を捉え、その情報を用いて行動を認識する手法の提案や、手に装着した磁気センサを用いて、手で使っている電化製品を認識する手法の提案などを行っています。手に装着したセンサのみを用いることで、多数の日常物に添付したセンサを用いずとも、日常物の利用を伴うさまざまな行動を認識することを目指しています。左の図は全体で「ココアを飲む」という行動を認識している例です。

innovative_1_3.gifセンサデータの例 (ココアを飲む)

■階層的センサネットワークにおける効率的なデータ収集手法

innovative_1_4.gif階層的センサネットワークにおける効率的データ収集たくさんのセンサから無線通信でデータを集め、実世界の状況を解析したり、状況に応じてサービスを提供するセンサネットワークを実現するためには、効率よくデータを収集できる手法が必要となります。一方で、実世界の状況を計測したセンサデータには、繰り返し同じような値の変化をしたり、そばにあるセンサではよく似た値の変化をする、といった特徴があります。
このようなセンサデータの特徴を活かし、特異値分解という技術を用いて階層的にデータを集約することで、少ないデータ量で効率よくデータを収集できる手法を提案しています。
計算量と無線通信のデータ量の両方を減らすことにより、センサデバイスの電池を長持ちさせ、長時間効率よく計測することが可能になります。
innovative_1_5.gifセンサノード