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特別講演
「時の流れを受けとめる」
~人間の時間情報処理の新事実~

西田 眞也(人間情報研究部主幹研究員/特別研究員)

 コミュニケーションの主役は人間である. この講演では,人間が「時間」,その中でもとくに「同時性」を知覚する仕組みを, CS研の最近の研究成果を交えながら解説したい.人間の知覚は, 目や耳などの感覚器に与えられた情報を脳が処理することで成立するが, この処理には1秒の何分の1という単位の時間がかかる.さらにこの知覚の遅れは処理する知覚属性によって変わってくるといわれており,同時に入力された感覚信号の知覚が同時に脳内で成立するとは限らない.にもかかわらず,主観的な感覚の世界では,物理的な知覚の遅れは意識されることはなく,知覚される時間関係は物理的な遅れからは説明できない.これらの謎を解くカギは,「物理的な時間」を「主観的な時間」に変換する時間関係の符号化メカニズムにあるとわれわれは考えている. 様々な錯覚現象の分析から解き明かされた人間の同時性符号化メカニズムの仕組みを講演の中で紹介する.