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研究講演

機械が会話のパートナーになる日
大規模深層学習で拓く雑談対話システムの新境地
協創情報研究部 知能創発環境研究グループ
杉山 弘晃

概要

近年、人との自然な雑談を通して人の対話欲求を充足させることを目的とする、雑談対話システムに注目が集まっています。NTTでは以前より雑談対話システムの研究を続けており、システムに個性を持たせる研究や、複数の対話ロボットを有機的に連動させ対話のスムーズさ・快適さを向上させる研究など、特色豊かな研究を幅広く進めています。
一方、近年の深層学習の急速な進展とともに、深層学習を利用した高性能な雑談対話システムが相次いで提案されています。本講演では、NTTのこれまでの取り組みを紹介するとともに、最新の深層学習モデルを利用した高性能な雑談対話システムについて、NTTが構築したシステムの詳細や現状の到達点・課題をご説明します。

関連文献

[1] H. Sugiyama, T. Meguro, Y. Yoshikawa, J. Yamato, “Improving dialogue continuity using inter-robot interaction,” in Proc. 27th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (RO-MAN), pp. 105-112, 2018.
[2] 杉山弘晃, 水上雅博, 成松宏美, “複数ロボット協調による一問一答型雑談対話からの脱却,” 第32回人工知能学会全国大会, 2018.
[3] 杉山弘晃, 成松宏美, 水上雅博, 有本庸浩, 千葉祐弥, 目黒豊美, 中嶋秀治, “Transformer encoder-decoder モデルによる趣味雑談システムの構築,” 言語・音声理解と対話処理研究会 (SIG-SLUD), Vol. B5, No. 02, pp. 104-109, 2020.

講演動画
講演資料
Q&A
Q.質問/コメント A.回答
Q.質問/コメント

人間でさえ長期的コミュニケーションにおいては矛盾する応答をしていると思います。その意味で、コミュニケーションの矛盾を解消することは自然な対話システムであるための必要条件ではないように思われますが、如何でしょうか?

A.回答

おっしゃる通り、人間の発話にもしばしば矛盾が含まれます。しかし、現在のシステムの矛盾は、人が矛盾する頻度を大きく上回っており、また事実に関する発話(例:Aをしたことがある/ない)など、自身の知識や経験に沿って話していればまず起きえない矛盾を多く含みます。
このような種類の矛盾が多いと、人はシステムが嘘をついている、もしくは適当にその場しのぎで話していると感じるため、コミュニケーションを楽しむことができなくなると考えています。

Q.質問/コメント

長期的なコミュニケーションの相手になりうる雑談対話システムはいつ頃実現するとお考えですか?

A.回答

数年程度で技術的には可能になると思います。対話した記憶の更新や、対話からの新しい概念・知識の獲得、関係性に応じた対話の変化などが研究課題と考えております。

講演者紹介
杉山 弘晃
協創情報研究部 知能創発環境研究グループ
杉山 弘晃

NTT コミュニケーション科学基礎研究所 協創情報研究部 主任研究員。2009年東京大学情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻修了。同年、NTT入社。博士(工学)。対話システムの研究に従事。IEEE、人工知能学会、言語処理学会、情報処理学会各会員。対話破綻検出チャレンジ、対話システムライブコンペティション等、雑談対話システム関連のコンペティションの優勝多数。