日本の博士課程〜若手シンポジウム’21 カウントダウンカレンダー〜寄稿記事
自己紹介
- 渡邊千紘(Webサイト)
- Twitter: @chihiro_ribbon
- 所属:NTTコミュニケーション科学基礎研究所 メディア情報研究部 メディア認識研究グループ(2015年〜)
- 専門は機械学習・統計学.特に関係データ解析やニューラルネットワークモデルにおける解釈可能性などの研究に取り組んでいます.
博士後期課程について
- 入社から数年経ったタイミングで,業務が落ち着いてきたことと,時間があるうちに博士を取っておくのが良いと聞いていたこともあり,博士後期課程への入学を考え始めました.入学してからは仕事と大学の両立で中々大変でしたが,結果として多くのことを学び,とても有意義な3年間を過ごすことができました.特に面白いエピソードなどはないのですが,博士後期課程での研究スケジュールや毎週の生活についてメモを置いておきます.
主なスケジュール
- 2019/4 博士後期課程入学(東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻)
- 2021/7/31 博士論文執筆開始
- 2021/10 予備審査
- 2022/1 本審査
- 研究スケジュール ※最終的にアクセプトされたもののみ記載
- Computational Statistics & Data Analysis(論文誌):2020/3初投稿,2020/9出版
- Electronic Journal of Statistics(論文誌):2020/6初投稿,2021/6出版
- Neural Networks(論文誌):2021/4初投稿,2021/12出版
- IEEE SSCI2021(国際会議): 2021/8締切,2021/12 会議開催
- その他,博士後期課程での研究内容を発表したイベント
- 国内会議:IBIS2019, 2020年度統計関連学会連合大会,IBIS2021
- 第36回数学カフェ「機械学習の数理」講演会
大学生活
- 毎週の予定:数理情報学専攻の輪講+ゼミ2種
- 必要単位数を満たすために,必須の講義以外も6単位分講義を履修しました.社会人Dのため大学に来られる曜日が限られている関係から,所属の専攻だけでなく他学部(経済学)の講義も組み合わせて取っていました.
その他
- 国内会議に参加することは自身の研究の宣伝だけでなく,新しい研究アイデアを思いつくきっかけになりうるという意味でとても良かったです.
- 私自身,超有名会議で勝負したい!というよりはきちんと読んでもらえそうなところで着実に成果を積み重ねていきたかったこともあり,論文誌メインで投稿してきました.
- ただし,論文誌の場合,査読期間が読めないという面もあり,3年以内に成果を出そうとするとプレッシャーになりやすいため,できるだけ早めに投稿するのが望ましいです.
- 社会人D&東大情報理工の場合,長期履修学生制度に申請しておくことで,博士取得に4年以上かかるかもしれないことへの心的負担を減らすことができました.
- 博士後期課程を通して得ることができた人とのつながりは今後も大切にしていきたいです.指導教員の鈴木先生・審査員を引き受けてくださった先生方はもちろん,研究室メンバーの方々,会議等のイベントで議論してくださった皆様から多くの刺激を受け,学ぶことができました.2年目以降はほぼ全てのイベントがオンラインになり,直接お話する機会がなくなってしまったことは残念でしたが,またどこかでお会いすることができましたらよろしくお願いいたします!:)