“観測の限界”が秘密をつくる
~広帯域ランダム光の観測困難性を利用した秘密鍵配送~
概要
秘密鍵配送とは、二人のユーザ間で秘密鍵を共有するための技術であり、その秘密鍵を用いることでユーザは安全な通信を行うことができます。私どもは、情報理論的安全性を備え、かつ、長距離鍵配送が可能な秘密鍵配送方式を2012年に提案しました。提案方式では、位相と振幅がランダムに高速時間変動する広帯域光に対して、それらの変動の完全な測定を行うことが技術的に困難である性質を、安全性の根拠としています。一方で、同じランダム光に対して、ユーザは容易に実行できる部分測定のみを行います。この完全測定と部分測定の難易度の差を利用して秘密鍵を共有します。これまでに、共通の広帯域ランダム光注入により同期するレーザ装置を部分測定器として用いる実装法を提案しました。本実装法では、多数のレーザを組合わせた部分測定装置の実現が、実用レベルの安全性に近づけるために重要です。今回、2個のレーザを組合わせた装置を作成し、それが実際に動作可能であることを実験的に実証しました。多数のレーザを組合わせた装置実現への道を開く結果です。
当日の様子
ポスター

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会場図
展示担当者