研究展示

コミュニケーションと計算の科学

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小さな窓から量子世界の全てをコントロール

量子系の間接的制御が持つ可能性を探る

どんな研究

量子的な系の全てを直接制御できることは稀です。仮に直接制御をしようとすると、ノイズがそのシステムに混入してしまいます。本研究では、ノイズを減らすために、あえて直接制御を避けて間接的に量子系を制御をした場合の制御上の影響を数学的に探究しています

どこが凄い

間接的に量子系を制御しようとするとき、一般にどのような制御が可能になるのかを明らかにしました。その結果、直接制御可能な量子系の自由度が3以上あればそれ以外の直接制御不可能な量子系の自由度がどれほど大きくても実質的には任意に制御できるなどの普遍的な事実を発見しました。

めざす未来

量子系を間接的に自在に制御できるようにすることで、量子計算機をはじめとする量子情報処理におけるノイズ問題のブレイクスルーを起こします。これによって、遠隔での完全秘密乱数共有や巨大な因数分解といった、量子情報処理によって初めて可能になる機能を実際に実現します。

関連文献

  1. G. Kato, M. Owari, K. Maruyama, “Algebra and Hilbert space structures induced by quantum probes,” Annals of Physics, Vol. 412, 168046, 2020.
  2. G. Kato, M. Owari, K. Maruyama, “Hilbert space structure induced by quantum probes,” in Proc. 11th Italian Quantum Information Science conference (IQIS2018), 2019.

ポスター

展示説明ムービー

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関連コンテンツ

連絡先

加藤 豪 (Go Kato) メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ
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