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研究講演

量子コンピュータにおける計算高速性と信頼性のジレンマ
計算結果の正しさの効率的な検証技術による量子エラーの克服
メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ
竹内 勇貴

概要

量子コンピュータは、現在のコンピュータよりも高速な計算を可能にすると期待されており、世界中で研究されています。一方で、量子コンピュータは周波数揺らぎなどのノイズによるエラーが発生しやすく、エラーにより正しい答えを出力できなくなる場合があります。そのため、信頼性の高い量子コンピュータを実現するためには、量子コンピュータの計算結果が正しいかを検証する技術が重要です。本講演では、量子計算の高速性の起源である量子重ね合わせが計算結果の検証を困難にするというジレンマに触れつつ、私たちがどのような方法でそのジレンマを回避しているのかをご紹介します。

関連文献

[1] J. Eisert, D. Hangleiter, N. Walk, I. Roth, D. Markham, R. Parekh, U. Chabaud, E. Kashefi, “Quantum certification and benchmarking,” Nat. Rev. Phys . Vol. 2, pp. 382-390, 2020.
[2] Y. Takeuchi, Y. Takahashi, T. Morimae, S. Tani, “Divide-and-conquer verification method for noisy intermediate-scale quantum computation,” Quantum , Vol. 6, p. 758, 2022.

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量子コンピュータにおける計算高速性と信頼性のジレンマ

講演資料
講演者紹介
竹内 勇貴
メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ
竹内 勇貴

NTT コミュニケーション科学基礎研究所 メディア情報研究部 准特別研究員。 2014年大阪大学基礎工学部卒業。2018年同大学基礎工学研究科博士課程早期修了。博士(理学)。同年日本電信電話株式会社入社。リサーチアソシエイトを経て、2023年より現職。量子情報処理の研究に従事。日本物理学会、情報処理学会各会員。