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テーマ展示
概要
見る，聞く，触るといった感覚や，快不快や喜怒哀楽などの感情は，日常生活でごく当たり前のようにリアルに体験されます．しかしその背後には，脳での複雑な情報処理や，身体各部の変化など，意識に上らない膨大なプロセスが動いています．私たちは，そのようなプロセスの特性や原理を明らかにすることを目指して研究を進めています．本研究は，人間本来のあり方に適った，自然で安全なICTを開発するための基盤を提供します．
本テーマ展示では， という3項目について，ご紹介します．
本テーマ展示では， という3項目について，ご紹介します．
展示紹介ムービー
2分34秒
個別展示
物理・画像・知覚の秘められた関係 －自然画像から探る視覚の仕組み－
どんな研究？
人間は画像中の物体の質感や自然さを瞬時に理解する素晴らしい能力を持っていますが，その仕組みはほとんど分かっていません．光沢知覚における明暗情報の役割の解明に続いて，今回，色彩情報の役割をあきらかにしました．
どこが凄い？
ハイライトの知覚において色の組み合わせが重要であることを発見しました．自然画像は複雑な光学現象の結果生まれたものですが，そこにはたらく物理法則を人間の視覚系は無意識のうちに理解していて，質感知覚に利用していることが分かりました．
もたらされる変革
脳が利用する画像情報と利用しない画像情報を切り分けることができれば，物理的に正しい画像にこだわった「重くて柔軟性のない」現在の映像技術を，人間にとって正しく見えることに主眼を置いた「軽くて柔軟な」未来の映像技術へと進化させることができます．
関連文献
- S. Nishida, I. Motoyoshi, L. Nakano, Y. Li, L, Sharan, E.H. Adelson, “Do colored highlights look like highlights?”, Journal of Vision, 8(6):339, 339a, 2008. [ Abstract ] [ Poster(PDF) ]
- I. Motoyoshi, S. Nishida, L. Sharan & E.H. Adelson, “Image statistics and the perception of surface qualities”, Nature, 447(7141), 2006-2009, 2008. [ Paper ]
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関連ムービー
感情で見え方が変わる － 感情と認知の相互作用 －
どんな研究？
「嬉しい」とか「悲しい」といった気持ちがものの見え方をどのように変えるかを研究しています．それによって私たちが心に抱く感情の役割とメカニズムに迫ることができます．
どこが凄い？
私たちの普段の行動は，その時に感じている気持ちに大きく左右されています．驚くことに，ごく単純なパターンの見え方さえも感情の影響を受けることが分かってきました．
もたらされる変革
この研究が発展すると，単純なパターンの見え方から人の感情の状態を推定することができるようになるかもしれません．また自分の気持ちのコントロールを手助けする手法の開発にもつながります．
関連文献
- Suzuki, Kitagawa, Koizumi & Kashino, Emotion biases which you see in a bistable motion pattern. European Conference on Visual Perception, 2008.
- 北村, 北川, “感情が彩る知覚世界” 知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), 20, pp.303-313, 2008.
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関連ムービー
目や耳や脳のしくみを楽しむ，学ぶ － 錯覚体験ウェブサイト「イリュージョンフォーラム」 －
どんな研究？
「イリュージョンフォーラム」は，子どもから大人まで，目や耳の錯覚（イリュージョン）を，インタラクティブに楽しみながら，脳のしくみを学ぶことを目的としたウェブサイトです．
どこが凄い？
わかりやすいインタフェースにより，自分でいろいろと操作しながら，錯覚を体験することができます．目と耳両方の錯覚を網羅した世界で初めてのサイトで，専門家がやさしく解説しています．
もたらされる変革
脳科学や心理学の一端に気軽に触れる機会を提供することにより，子供たちに，理科や科学への興味をもってもらうことを目指しています．
関連文献
- 竹内龍人 だまされる目 ～錯視のマジック～（子供の科学★サイエンスブックス）誠文堂新光社, 2009.
- 竹内龍人 錯視で実感する視覚と脳のしくみ. 「ニュートン」2009年5月号
- 柏野牧夫 錯覚からみた聴覚の「賢さ」. 日本バーチャルリアリティ学会誌, 10, 19-25, 2005.
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