研究展示

人間の科学

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身体が“見る”実世界の動きとは?

自然統計で紐解く視覚運動制御の秘密

どんな研究

ヒトは体性感覚に加えて、視覚情報にも頼って運動制御を行っています。どのような情報を利用して視覚運動制御を行うのか、日常動作の一人称映像から得られる視覚的な動き情報や頭の動きの統計的性質からその秘密に迫ります。

どこが凄い

低空間周波数情報のみを取り出した映像(低空間周波数映像)は輪郭がボケた映像となり、何が映っているかよく分かりません。しかし、ボケた映像の方が元映像よりも算出される自己運動の推定精度が高く、また、ヒトの無意識な視覚―運動制御情報処理と類似しているという結果が得られました。

めざす未来

様々な実験やモデルシミュレーションを通して、ヒトが無意識に行っている視覚運動制御の仕組みを解明します。また、ヒトの仕組みを理解することで、実環境における視覚情報を使って巧みな動作ができるロボットの実現映像加工技術への応用に役立つことが期待されます。

関連文献

  • [1] 中村大樹, 佐藤俊治, “計算論的に最適な速度推定器によってMT野細胞の複雑な反応特性を説明する,” 第27回日本神経回路学会全国大会, 2017.
  • [2] H. Gomi, N. Abekawa, S. Nishida, “Spatiotemporal tuning of rapid interactions between visual-motion analysis and reaching movement,” The Journal of Neuroscience, vol. 26, No. 20, pp. 5301-5308, 2006.
  • [3] D. Nakamura, H. Gomi, “Statistical analysis of optic flow induced by body motion characterizing OFR and MFR,” in JNNS satellite meeting, 2018.

ポスター

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当日の様子

連絡先

中村 大樹(Daiki Nakamura) 人間情報研究部 感覚運動研究グループ
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