研究展示

人間の科学

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速いボールを捉える脳のしくみ

視覚と身体の瞬間的な連携

どんな研究

野球等の球技では、高速で動くボールに対して適切に体を動かす必要がありますが、そのメカニズムは分かっていません。本研究では、錯覚を利用した基礎実験と、プロ野球打者の実打中の眼球運動及び身体運動の計測により、限られた時間の中で速いボールを捉える脳の仕組みを調べました。

どこが凄い

実戦に近い場面で眼球運動と身体運動を詳細に計測することで、トップアスリートの洗練された技を捉えることに成功しました。錯覚を利用した基礎実験では、脳が視覚情報をもとに腕の動きを修正するメカニズムを明らかにしました。

めざす未来

「見て、動くための潜在的な脳の働き」を解き明かし、状況に応じて身体を最適に操るための「技」を鍛える新しいトレーニング法の確立を目指します。これはトップアスリートに限らず、子どもからお年寄りまで幅広い人の運動技能向上に役立ちます。

関連文献

  • [1] Y. Kishita, H. Ueda, M. Kashino, “Eye movements in real baseball batting by elite players,” in Proc. The 48th Annual Meeting of the Society for Neuroscience, 2018.
  • [2] H. Ueda, N. Abekawa, S. Ito, H. Gomi, “Temporal development of an interaction effect between internal motion and contour signals of drifting target on reaching adjustment,” in Proc. The 47th Annual Meeting of the Society for Neuroscience, 2017.

ポスター

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当日の様子

連絡先

上田 大志(Hiroshi Ueda) スポーツ脳科学プロジェクト
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