HOME / 研究展示 / 光と物質の相互作用におけるゼータ関数
研究展示
データと学習の科学
01

光と物質の相互作用におけるゼータ関数

量子ラビモデルの数理の発見

光と物質の相互作用におけるゼータ関数
どんな研究

光と物質の物理的相互作用を数学的に記述する量子ラビモデルは、量子コンピュータなど、社会に大きな影響を与える応用が期待される重要な研究対象です。本研究では、モデルのスペクトルゼータ関数を理解するために、モデルの時間発展を表す熱核の明示的な計算方法を考案しました。

どこが凄い

量子ラビモデルの熱核や分配関数は、経路積分等を用いた従来の手法では計算困難でした。これを克服するため、本研究では、表現論という代数学の理論を用いて全く新しい計算手法を開発しました。また、計算結果から、熱核の新たな物理的・数学的な解釈を得ることにも成功しました。

めざす未来

本研究の目標は量子ラビモデルから定まるスペクトルゼータ関数の整数論的な性質を明らかにすることでしたが、そのために開発した上記の手法は物理学的にも重要な価値を持っています。今後も整数論的な興味を出発点とする全く新しい視点から、物理的な性質を明らかにしていきます。

光と物質の相互作用におけるゼータ関数
関連文献

[1] C. Reyes-Bustos, M. Wakayama, “The heat kernel for the quantum Rabi model”, Adv. Theor. Math. Phys., Vol. 26, No. 5, pp. 1347-1447, 2022.

[2] C. Reyes-Bustos, M. Wakayama, “Heat kernel for the quantum Rabi model: II. Propagators and spectral determinants”, J. Phys. A: Math. Theor. , Vol. 54, 115202, 2021.

展示説明ムービー
ポスター
連絡先

シッド レジェス ブストス(Cid Reyes Bustos)

メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ(NTT基礎数学研究センタ)

他の研究展示はこちら