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災害復旧を加速する効率的な避難所運営被災者の順次帰宅を考慮した避難所計画の最適化 ![]() |
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どんな研究 |
災害により自宅が倒壊した被災者には避難所が提供されますが、施設を本来の用途に復旧するためには避難所の効率的な運営が必要です。本研究では、被災者の帰宅時刻を考慮して避難所閉鎖時の被災者の移転先を決定することで、避難所を運営するコストと被災者が避難所を移転する負担の合計を最小化します。これにより災害後早期に避難所を本来の用途に使えるようになり、迅速な復旧が可能となります。 |
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どこが凄い |
帰宅時刻が同じ被災者を同じグループとして扱うことにより、被災者数が多数の場合でも効率的に計算する手法を考案して、シミュレーション実験で既存手法より約12倍高速になることを確認しました。また、被災者が避難所間を移転する際の負担の大きさを推定することで、避難所の運営コストと被災者の移転コストの二者間のバランス調整を可能にしました。 |
めざす未来 |
災害シミュレーションを用いて対応策を検討する際に、対応策のパターンを網羅的に実行するだけでは、効率的に最適解を見つけることができません。本技術を発展させて最適な対応策を効率的に発見できるシミュレーション基盤を確立し、災害に限らず様々な社会課題のシミュレーションによる解決をめざします。 |

[1] H. Shimizu, H. Suwa, T. Iwata, A. Fujino, H. Sawada, K. Yasumoto, “Evacuation shelter scheduling problem,” in Proc. the 55th Hawaii International Conference on System Sciences (HICSS 2022), pp. 5705?5714, 2022.
[2] 清水仁, 諏訪博彦, 岩田具治, 藤野昭典, 澤田宏, 安本慶一, “避難所計画問題の定式化と効果推定,” マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム, pp. 607?614, 2021.
清水 仁(Hitoshi Shimizu) 協創情報研究部 知能創発環境研究グループ
Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp