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量子技術による強い攻撃でもその暗号安全ですかランダムハッシュ関数の衝突を発見する量子アルゴリズム ![]() |
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どんな研究 |
近年、量子計算機の研究開発の進展を背景に、量子計算機を用いた強力な攻撃を考慮に入れた、暗号の安全性評価が必要になってきています。この安全性評価のためには、具体的な攻撃手法が必要です。本展示では、暗号の中核技術であるハッシュ関数に対する、量子計算機を用いた攻撃手法をご紹介します。 |
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どこが凄い |
暗号の中核技術であるハッシュ関数に対して、量子計算機を用いた最高速の攻撃手法を発見しました。本手法の攻撃速度は理論限界を達成しており、理論上可能な最強の攻撃手法と言えます。また、汎用的な手法であるため、様々なハッシュ関数の安全性評価に利用可能です。 |
めざす未来 |
ハッシュ関数は、日常生活で使われている電子署名やユーザ認証に加え、最近では、ブロックチェーンなどにも利用される、中核的な暗号技術です。本成果は、現在進んでいる耐量子計算機暗号の議論における、ハッシュ関数の安全性解析に重要な知見を与えることにより、将来においても安全な暗号の開発に貢献します。 |

[1] A. Hosoyamada, Y. Sasaki, S. Tani, K. Xagawa, “Improved quantum multicollision-finding algorithm,” in Proc. 10th International Conference on Post-Quantum Cryptography (PQCrypto 2019), pp. 350?367, vol. 11505, 2019.
[2] A. Hosoyamada, Y. Sasaki, S. Tani, K. Xagawa, “Quantum algorithm for the multicollision problem,” Theoretical Computer Science, vol. 842, pp. 100?117, 2020.
谷 誠一郎(Seiichiro Tani)メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ
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