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まなざしや声かけが赤ちゃんの学びを助けます社会的手がかりが乳児期の物体学習に及ぼす影響の解明 ![]() |
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どんな研究 |
乳児は環境から得られる情報に基づき様々な知識を学んでいますが、その詳細な学習プロセスは明らかにされていません。本研究では、乳児の物体学習や言語獲得が、声かけや視線など養育者からの社会的手がかりによって促されることを実験心理学的アプローチにより明らかにしました。 |
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どこが凄い |
乳児の学習に社会的手がかりと注意手がかりのどちらが寄与するか議論がありましたが、学習プロセスを明確にする2種類のテストを行い社会的手がかりの重要性を実証しました。この結果は、人間の学習メカニズムをモデル化した「ナチュラル・ペダゴジー理論」を支持し発展させます。 |
めざす未来 |
効果的な学習に及ぼす要因やメカニズムを明らかにすることにより、ヒトが言語や知識をどのように習得するかに関する理論を確立し、ペアレントトレーニングや乳児の学習環境考案などの育児や教育支援に貢献することをめざしています。 |

[1] Y. Okumura, Y. Kanakogi, T. Kobayashi, S. Itakura, “Individual differences in object-processing explain the relationship between early gaze-following and later language development,” Cognition, Vol. 166, pp. 418?424, 2017.
[2] Y. Okumura, Y. Kanakogi, T. Kobayashi, S. Itakura, “Ostension affects infant learning more than attention,” Cognition, Vol. 195, 104082, 2020.
[3] 奥村優子, “乳児期における社会的学習: 誰からどのように学ぶのか,” 東京大学出版会, 2020.
奥村 優子(Yuko Okumura) 協創情報研究部 インタラクション対話研究グループ
Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp