コミュニケーションと計算の科学

研究展示 11

ことばの発達がゆっくりなお子さんの特徴を探る

~小児医療現場で収集したデータの解析からみえてきたこと~

どんな研究

ことばの発達は個人差が大きく、発達が早い子もいれば、ゆっくりな子もいます。本研究では、ことばの発達がゆっくりなお子さんに焦点を当てて、語彙発達データを小児医療現場で取得することにより、幼児の言語習得メカニズムや個人差を生み出す仕組みの解明をめざしています。

どこが凄い

ことばが遅いという理由で来院した子を追跡調査し、1)定型発達児と同様の語彙爆発が起こること、2)定型発達児が獲得していく語とほぼ同様の語を獲得していくことが分かりました。これは、ことばに遅れが見られても定型発達児とほぼ同様のプロセスをたどることを示しています。

めざす未来

ことばの発達がゆっくりなお子さんの特徴とそのプロセスを詳細に把握し定型発達児との違いを知ることで、ヒトが言語をどのように習得するかに関する理論確立へのヒントになるとともに、小児医療現場での言語訓練法に関する新しい技術の指針提案にも貢献することができます。

関連文献

  • [1] Y. Cao, Y. Minami, Y. Okumura, and T. Kobayashi, “Analyzing Vocabulary Commonality Index Using Large-scaled Database of Child Language Development,” 11th edition of Language Resources & Evaluation Conference (LREC), 2018.
    [2] 阿久津由紀子, 小林哲生, 渡辺佐和, 齋藤貴美子, 南泰浩, “語彙成長記録アプリ活用による言語発達遅滞児2例の語彙発達の分析,” 第18回日本 言語聴覚学会, 2017. 

ポスター

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当日の様子

展示代表者

小林 哲生
小林 哲生
協創情報研究部