人間の科学

研究展示 22

音への注意を眼で測る

~瞳孔反応に現れる聴覚空間注意~

どんな研究

複数の音源が混在する日常環境の中、適切な空間(方向)に注意を向けることで、私たちはその時々に聞きたい音を適切に聞き取ることができます。この研究では、聴覚的注意を向けている方向の明るさが、あたかも対光反射のように瞳孔の開き具合に反映されることを発見しました。

どこが凄い

聴覚的注意を向けている方向を知るには、これまでは頭や眼の動きといった行動に頼るしかありませんでした。本研究の結果は、眼が動かなくても、視覚入力の明るさの空間分布と、瞳孔径との対応を調べることにより、聴覚的な注意方向をある程度推定できることを意味します。

めざす未来

この注意方向推定の原理を利用すれば、どんな音がどんな条件で注意をひきつけやすいかを知ることもできるでしょう。人間が機器を安全に運転する際のサポートや、注意機能障害の診断・リハビリといった様々な分野への応用も期待されます。

関連文献

  • [1] H.-I. Liao, H. Fujihira, S. Furukawa, “The pupillary light response reveals the focus of auditory spatial attention,” Association for Research in Otolaryngology (ARO) 41st Annual MidWinter Meeting. San Diego, California, USA. 2018.

ポスター

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当日の様子

展示代表者

リャオ シンイ
リャオ シンイ
人間情報研究部