メディアの科学

研究展示 15

照明光で色の鮮やかさを操る

~彩度強調成分を用いた分光スペクトルの制御~

どんな研究

照明光の分光スペクトルを変化させることで、被写体の見た目の色の鮮やかさを制御する技術です。劣化により薄くなった色や、人間の目では区別しにくい僅かな色の差などを強調します。

どこが凄い

お肉や野菜などの食材を鮮やかに見せる照明が市販されていますが、特定の色に対してのみ有効で、また白色にも色がつき全体のカラーバランスが崩れる問題があります。本技術はホワイトバランスを保ちつつ様々な色の被写体の彩度を同時に強調し、その度合いの調整が可能です。

めざす未来

経年劣化等により退色した文化財の仮想復元、医療分野での診断支援、食品や工業製品の検査支援(変化の状態や混入異物の強調)、店舗内で探したい/強調したい物品への注意喚起等を、照明光スペクトルの変調のみで実現します。

関連文献

  • [1] M. Tsuchida, K. Hiramatsu, K. Kashino, “Designing Spectral Power Distribution of Illumination with Color Chart to Enhance Color Saturation,” in Proc. IS&T 24th Color and Imaging conference (CIC24), pp. 278-282, 2016.
    [2] M. Tsuchida , K. Hiramatsu, K. Kashino, “Color Enhancement by Optimizing the Illumination Spectrum,” NTT Technical Review, Vol. 16 No. 1, 2018, https://www.ntt-review.jp/archive/ntttechnical.php?contents=ntr201801ra1.html

ポスター

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当日の様子

展示代表者

土田 勝
土田 勝
メディア情報研究部