人間の科学

研究展示 24

人工知能で人の聴こえの仕組みを理解する

~機械学習モデルによる聴覚神経機構の分析~

どんな研究

我々が日常出会う音は非常に複雑です。そして、耳や脳は膨大な数の神経細胞からなるネットワークで音の情報を処理しています。私たちは、現代の「人工知能」を構成する機械学習技術の力を借りて、これまでにない形で、耳と脳と音との複雑な関係性を理解しようと試みています。

どこが凄い

典型的な仮説検証型の認知神経科学研究では、設定される仮説の良し悪しが、研究の進展を左右します。我々は、複雑なデータに含まれる関係性を抽出する機械学習技術を導入することで、強い仮説を前提とせずに、聴覚のメカニズムに関するヒントを得ることができました。

めざす未来

このアプローチにより、研究者がこれまで見過ごしてきた課題や仮説を発見・提起することができ、認知神経メカニズムの本質的な理解につながる可能性があります。また、高齢者や難聴者も含む、一人ひとりにとって聴きやすい音を設計するのにも役立つでしょう。

関連文献

  • [1] T. Koumura, H. Terashima, S. Furukawa, “Representation of amplitude modulation in a deep neural network optimized for sound classification,” in Proc. 41st Annual Midwinter Meeting of the Association for Research in Otolaryngology, 2018.
    [2] 寺島裕貴, 塚野浩明, 古川茂人, “自然音刺激を用いたマウス聴覚野構造解析の試み,” in 「脳と心のメカニズム」冬のワークショップ, 2018.
    [3] H. Terashima, S. Furukawa, “Reconsidering the efficient coding model of the auditory periphery under reverberations,” in Proc. 41st Annual Midwinter Meeting of the Association for Research in Otolaryngology, 2018.

ポスター

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当日の様子

展示代表者

上村 卓也
上村 卓也
人間情報研究部