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第二子の言語発達の緩やかさは小学生で解消する年上きょうだいの有無が子どもの言語発達に及ぼす影響 ![]() |
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どんな研究 |
年上きょうだいがいる第二子の言語スキルは第一子よりも低いことが海外で報告されています。第二子で親の語りかけが相対的に少なくなるためと考えられています。本研究では、幼児期のこうした年上きょうだいの影響が日本でもあるのか、その影響が児童期まで続くかを検証しました。 |
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どこが凄い |
4~5歳時点では日本でも第二子は第一子より言語スキルが低いことを確認しました。加えて、本研究ではその差が8~9歳になると消失することを示しました。これは、就学などにより家庭外の影響が増え、親の語りかけなどの家庭内の影響が相対的に縮小した可能性を示す重要な知見です。 |
めざす未来 |
言語発達に影響を及ぼす要因とその要因がいつどのように影響するのかを明らかにし、ヒトの言語発達過程のモデル化に寄与します。これにより、子どもの言語発達を促進する環境づくりや、言語発達につまずく子どもたちも含めた一人ひとりに合った教育支援への貢献をめざしています。 |

[1] S. Sato, H. Higuchi, A. Shinohara, T. Kobayashi, T. Nishimura, T. Iwabuchi, K. J. Tsuchiya, “Older sibling effect on language development disappears in elementary school-aged children,” in Proc. The 49th Annual Boston University Conference on Language Development (BUCLD 49), 2024.
[2] 佐藤栞, 樋口大樹, 篠原亜佐美, 小林哲生, 西村倫子, 岩渕俊樹, 土屋 賢治, “日本における言語発達の年上きょうだい効果,” 心理学研究, Vol. 96, No. 5, 2025, 掲載予定.
佐藤 栞(Shiori Sato)協創情報研究部 コミュニケーション発達研究グループ