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身体運動に宿る“選球眼”

身体を制御する能力が迅速な意思決定能力を支える

身体運動に宿る“選球眼”
どんな研究

野球の打者には、打つか見送るかを瞬時に見極める“選球眼”が必要です。しかし、この迅速な意思決定に、バットを操る能力がどのように影響するかはよくわかっていません。本研究では、野球選手と器械体操選手の比較から、身体制御能力と意思決定能力の関係を調べました。

どこが凄い

野球打撃を模した意思決定を伴う身体運動を観察することで、競技の違いによって身体を制御する能力に差があることを明らかにしました。野球選手では、特に見送る時に打撃動作を止める能力が秀でており、それがより正確な意思決定につながっていることを初めて明らかにしました。

めざす未来

スポーツ選手の適性評価や競技力向上のためのトレーニング手法の開発、新たな才能の発掘に貢献します。また、身体を制御する能力を向上させることで迅速な意思決定能力を高める方法が確立されれば運転支援技術やリハビリテーションなど、幅広い分野への応用も期待されます。

身体運動に宿る“選球眼”
関連文献

[1] A. Kobayashi, T. Kimura, “Compensative movement ameliorates reduced efficacy of rapidly-embodied decisions in humans,” Communications Biology, Vol. 5, No. 294, 2022.

[2] A. Kobayashi, T. Kimura, “Sport expertise-dependent movement adjustments impact Go/No-go decision in rapid hitting task,” in Proc. The 51st Annual Meeting of the Society for Neuroscience (Neuroscience 2021), 2021.

[3] 小林明美, 木村聡貴, ”ヒッティング課題における認知・スポーツスキルのスポーツ経験による違い,” 第43回日本神経科学大会, 2020.

ポスター
連絡先

小林 明美(Akemi Kobayashi)人間情報研究部 身体知研究グループ

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