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目でとらえる打撃の真髄

プロ野球選手の視線データが明かす一流打者の視線移動戦略

目でとらえる打撃の真髄
どんな研究

野球の打撃では、投球されたボールの動きを正確に把握するために、視野の中心でボールをとらえ続ける視線の動きが重要です。本研究では、プロ球団所属の39選手を対象に打撃時の視線を計測し、目と頭の動きから視線移動戦略の違いや打撃能力との関係を分析しました。

どこが凄い

プロ野球打者の視線を対象とした初の大規模実験を実施し、ボール軌道予測に必要な視覚情報の取得能力を定量化しました。これにより、従来の身体能力指標では測りきれなかった優れた打者の特性をとらえるとともに、個々の特性に応じた多様な視線移動戦略の存在を明らかにしました。

めざす未来

トップアスリートが持つ高度に最適化された視覚情報処理の多様性を解明し、個々の特性に応じた効果的なトレーニングや指導法の確立をめざします。これにより、競技力向上だけでなく、リハビリや技能習得へ応用し、多様な特性を持つ人々の運動スキルを高め、QOL向上につなげます。

目でとらえる打撃の真髄
関連文献

[1] Y. Kishita, H. Ueda, M. Kashino, “Eye and head movements of elite baseball players in real batting,” Frontiers in Sports and Active Living, Vol. 2, No. 3, pp. 1–12, 2020.

[2] Y. Kishita, H. Ueda, M. Kashino, “Temporally coupled coordination of eye and body movements in baseball batting for a wide range of ball speeds,” Frontiers in Sports and Active Living, Vol. 2, No. 64, pp. 1–9, 2020.

[3] 上田大志, 柏野牧夫, “プロ野球打者の視線移動から見る多様なボール情報取得戦略,” 第18回Motor Control 研究会 (MC18), 2024.

ポスター
連絡先

上田 大志(Hiroshi Ueda)人間情報研究部 身体知研究グループ

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