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ノビのある速球は錯覚?

VRで投球の質感を操作する

ノビのある速球は錯覚?
どんな研究

投手の投球の質は、球速や軌道などのボールの物理的特徴量だけでなく、「ノビ」といった打者の主観で評価されることがあります。本展示では、バーチャルリアリティ(VR)を用いて「ノビ(ボールが浮き上がる知覚)」の脳情報処理メカニズムを明らかにしました。

どこが凄い

VR環境で投手が投げたボール(速球)を野球選手が観察しているときに、投手の投球動作時間を人工的に操作すると、ボール挙動は同じにも関わらず、「ノビ」の知覚は変化しました。この結果から、打者は投球動作パターンからボールの挙動を予測し、その予測がボールが「ノビ」る“錯覚”を生み出していることがわかりました。

めざす未来

VRを用いることで、本研究のように実環境では観測が難しいアスリートの知覚メカニズムを明らかにできるだけでなく、意思決定(判断力)など様々な認知トレーニングやこれまでにないコーチングなどへの応用も期待されます。

ノビのある速球は錯覚?
関連文献

[1] T. Fukuda, A. Endo, M. Sugimoto, T. Kimura, “How do elite baseball batters perceive a "rising" fast ball?,” in Proc. North American Society for the Psychology of Sport and Physical Activity 2022 Annual Conference, 2022.

[2] 遠藤愛奈, 福田岳洋, 三浦礼二, 杉本麻樹, 木村聡貴, “バーチャルリアリティを用いた野球の投球の質感に影響を及ぼす投球パラメータの解析,” スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス2021, 2021.

展示説明ムービー
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Q&A
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ポスター
連絡先

木村聡貴(Toshitaka Kimura) 柏野多様脳特別研究室

Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp

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