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絵に表れる友だちへの気持ち描画を用いた幼児の親密さ測定手法 ![]() |
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どんな研究 |
幼児が他者に抱く親密さは友人関係の基盤であり、発達心理学分野の重要なテーマです。しかし従来の測定手法には、準備に時間を要する・質問意図が分かりやすいという問題があります。この展示では、幼児が描く絵から他者に抱く親密さを簡便かつ自然に測定する手法を紹介します。 |
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どこが凄い |
3~6歳の幼児に自分と他者の絵を描いてもらい、描かれた人物の一番近い点同士の水平の長さを二者間距離とすると、この距離は幼児がその他者に抱く親密さと関連することが分かりました。描画という簡易的な手法で幼児の親密さを測定できることを示した初めての研究です。 |
めざす未来 |
幼児の社会においても、孤立やいじめなど様々な問題が潜んでいます。対人関係の問題をいち早く検知し、深刻な事象を防ぎつつ良好な関係を構築する支援手法を確立することで、幼児期のウェルビーイングを向上させ、その子の将来にポジティブな影響を与えることができます。 |

[1] A.Shinohara, M. Narazaki, T. Kobayashi, “Children's affiliation toward peers reflected in their picture drawings,” Behavior Research Methods, Vol. 55, pp. 2733-2742, 2023.
[2] A.Shinohara, M. Narazaki, T. Kobayashi, “Children draw favorite peers close to them in pictures: Longitudinal evidence using social network analyses,” under review.
[3] 篠原亜佐美,楢崎雅,小林哲生, ”絵に表れる友だちへの気持ち:描画を用いた幼児の親密さ測定手法の検討,” 第87回日本心理学会全国大会, 2023.
篠原 亜佐美(Asami Shinohara)協創情報研究部 コミュニケーション発達研究グループ