| 16 |
主観的な気持ちを客観的にとらえる回答スタイルに加え不確実性まで扱う感情のモデル化と評価 
|
|---|
| どんな研究 |
他者の感情理解はコミュニケーションの本質に関わります。しかし、主観を問う質問への回答を通して感情を理解しようとすると、その人の回答のクセや主観の曖昧さに邪魔されます。この回答のクセと曖昧性を数理モデル化することで主観的な感情に客観的にアプローチします。 |
|---|---|
| どこが凄い |
主観を問う様々な質問への回答からその人の回答のクセや同じ質問でも聞かれる度に回答が異なる「曖昧さ」を統計的に見抜きます。感情表現のおおげさな人、控えめな人、感情の認識があいまいな人でも、その人の回答の背後にある本当の感情をあぶり出します。 |
| めざす未来 |
人々のコミュニケーションは複雑で、感情表現や認知は人それぞれです。クセや曖昧さまでを含めて人の感情を理解できるＡＩを作ることで、曖昧なコミュニケーションによって生じる人々の間の気持ちのすれ違いを減らし、より共感しあえる社会をめざします。 |
[1] S. Kumano, K. Nomura, “Multitask item response models for response bias removal from affective ratings,” in Proc. The 8th International Conference on Affective Computing and Intelligent Interaction (ACII ’19), 2019.
[2] H. Narimatsu, M. Ozawa, S. Kumano, “Collision probability matching loss for disentangling epistemic uncertainty from aleatoric uncertainty,” in Proc. The 26th International Conference on Artificial Intelligence and Statistics (AISTATS ’23), PMLR 206:11355-11370, 2023.
熊野 史朗（Shiro Kumano）人間情報研究部 感覚共鳴研究グループ