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コミュニケーションと計算の科学
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都会ほど児童虐待通告が多いのはなぜか?

虐待兆候発見に人口密度が寄与する理由をWEB調査で実証

都会ほど児童虐待通告が多いのはなぜか?
どんな研究

政府の統計資料によれば、児童相談所に通告される児童虐待は都市部ほど多く、人口密度と正の相関のあることが知られていますが、その原因はまだはっきりとわかっていません。本研究では、人口密度の高い地域では近隣住民が虐待の兆候に気づきやすいという仮説を立て検討しました。

どこが凄い

全国5500人を対象にWEB調査を行い、人口密度の高い地域の居住者ほど児童虐待の兆候を見聞きした経験があるという結果が得られました。本研究によって、住環境が虐待発見に寄与する可能性が初めて指摘されました。

めざす未来

児童虐待は今日の深刻な社会問題の一つです。児童相談所などが手厚い対応を行うには情報を素早く得ることが求められます。市民の情報提供の特徴を調べ、通報が促進される環境を整備することで、子どもたちが幸福に暮らせる社会の実現をめざします。

都会ほど児童虐待通告が多いのはなぜか?
関連文献

[1] 松田昌史, 奥村優子, 小林哲生, 樋口大樹, “児童相談所への虐待通告の地域差 -都道府県単位の人口密度を用いた分析-,” 厚生の指標, Vol. 70, No. 13, pp. 2-6, 2023.

ポスター
連絡先

松田 昌史(Masafumi Matsuda)共創情報研究部 コミュニケーション発達グループ

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