研究展示

人間の科学

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巧みで素早い運動を支える脳の中の身体表現

手の位置推定の不確かさは伸張反射を調節する

どんな研究

人間には、目や手足などからの感覚入力によって運動目標や姿勢の変化をとらえ、その影響を無意識的な反応によって小さくする反射的な運動修正の仕組みが備わっています。このような反射的応答を状況に応じて調節するために、脳内でどのような情報処理が行われているかを調べています。

どこが凄い

急激な姿勢変化を修正するように働く「伸張反射」が、自分の体の動きが見えない状況では小さくなることを発見しました。このことから、反射的応答の調節が、従来考えられていたように単一の感覚情報のみに基づくのではなく、複数の感覚情報を統合した身体表現を介し行われていると考えられます。

めざす未来

反射的な応答が生成・調整される仕組みを解明し、人間が巧みな運動を行う上で、意識に上らない運動制御がどのように役立っているかを明らかにしていきます。将来的には、アスリートの能力の分析・解明に役立てることや、スポーツトレーニングへの応用をめざします。

関連文献

  1. S. Ito, H. Gomi, “Visually-updated hand state estimates modulate the proprioceptive reflex independently of motor task requirements,” eLife, 9:e52380, 2020.
  2. S. Ito, H. Gomi, “Online modulation of proprioceptive reflex gain depending on uncertainty in multisensory state estimation,” in Proc. The Society for Neuroscience 49th Annual Meeting, 2019.

ポスター

展示説明ムービー

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連絡先

伊藤 翔 (Sho Ito) 人間情報研究部 感覚運動研究グループ
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