研究展示

コミュニケーションと計算の科学

07

みんなが協力せず勝手に急ぐとどうなる?

混雑ゲームの均衡計算

どんな研究

道路や通信などのネットワークでは、ある辺(リンク)を使う人が多いほどその辺は混雑し、コスト(所要時間)が大きくなります。ネットワークの各利用者が経路(辺の組合せ)を選ぶ際に、誘導や制御がなく各々自分勝手にコストが小さい経路を選ぶ場合、どの辺がどの程度混雑するか計算できます。

どこが凄い

素朴な方法では、全ての経路について確率の計算をすることになりますが、経路の数が膨大なため実用上は不可能でした。私たちは二分決定グラフとよばれるデータ構造を用いて経路の集合を小さく表現することで、計算を高速化し、実用的な大きさのネットワークでの計算を可能にしました。

めざす未来

本技術により、道路や通信のネットワークの混雑状況を簡単に予測できるようになり、ネットワークの設計に役立ちます。また、本技術における「辺」は「アイテム」、「辺の組合せ」は「アイテムの組合せ」と一般化でき、経済学などの一般的な場合におけるゲーム理論的解析にも役立つと考えられます。

関連文献

  1. K. Nakamura, S. Sakaue, N. Yasuda, “Practical Frank-Wolfe method with decision diagrams for computing Wardrop equilibrium of combinatorial congestion games,” in Proc. 34th AAAI Conference on Artificial Intelligence (AAAI), 2020.

ポスター

展示説明ムービー

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連絡先

中村 健吾 (Kengo Nakamura) 協創情報研究部 言語知能研究グループ
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