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コミュニケーションと計算の科学
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欲張りが提供する量子クラウドはちゃんと動く

経済合理性に従うクラウド量子計算サーバは信頼できる

欲張りが提供する量子クラウドはちゃんと動く
どんな研究

量子コンピュータをクラウド方式で運用する際、ユーザがサーバから受け取る計算結果の正しさを保証する手法についての研究です。量子コンピュータにはノイズの影響を受けやすいという性質があるため、実用的なクラウド量子計算の実現には、そのような保証機能の実現が不可欠です。

どこが凄い

保証機能を既存の通信技術で実現する場合、従来手法では、量子コンピュータの動作を短時間に制限する必要があります。今回、我々は、経済合理性の概念を導入し、短時間制限を取り除くことに成功しました本成果は従来よりも幅広い量子コンピュータアーキテクチャに適用可能です。

めざす未来

我々の手法を発展させることで、既存の(古典)ネットワークに大規模量子コンピュータを組み込むことをめざします。これにより、大規模量子コンピュータが実現した際、世界中誰でもどこからでも量子コンピュータの恩恵を受けられるようなネットワークの構築が可能になります。

欲張りが提供する量子クラウドはちゃんと動く
関連文献

[1] Y. Takeuchi, T. Morimae, S. Tani, “Sumcheck-Based Delegation of Quantum Computing to Rational Server,” in Proc. the 16th International Conference on Theory and Applications of Models of Computation (TAMC), 2020.

展示説明ムービー
Q&A
Q.質問/コメント A.回答
Q.質問/コメント

(感想)サーバから適切でない答えが返っているという発想がなかったので新鮮でした。
ビットコインのように、個人レベルまで計算を分解して負担する方式の時に役立ちそうですね。
食べログやamazonの口コミのように、外部で報酬額を格付けすれば、合理的でないサーバも弾けるでしょうか。

A.回答

本展示にお立ち寄りいただきありがとうございます。

量子コンピュータはノイズの影響を受けやすいため、間違った答えを意図せず出力してしまう可能性があります。
そのため、このような発想での研究が世界的に盛んに行われております。

合理的でないサーバを弾くというアイデアは大変興味深いです。
もし報酬額の最大値を知っていれば、可能だと思われます。
合理的な時のみ報酬額が最大になるので、最大値と実際の報酬額を比べることで、サーバがどれだけ合理的なのかを評価することができます。
その評価が低いサーバを弾くことで、合理的でないサーバが弾かれることになります。

Q.質問/コメント

展示ではサーバが合理的だと仮定していますが、そうでない状況もあり得ると思います。そのような場合でも、今回の手法は使えるのでしょうか?

A.回答

今回の展示で紹介している手法は、サーバが合理的な時にしか使えません。しかし、関連文献に挙げている我々の論文では、ある数学的な条件のもとで、サーバが合理的でなくても我々のアイデアが適用できることを示しています。この条件を満たせるかどうかはまだ未解決ですが、研究を発展させることで、サーバが合理的でない状況でも有意義な研究成果を得ることができるかもしれません。

Q.質問/コメント

IBMなどが既に量子コンピュータのクラウドサービスを提供していますが、それと今回の展示は何が違うのですか?

A.回答

既に実現しているクラウドサービスでは、サーバの量子コンピュータの動作を保証する機能が不十分です。現在の量子コンピュータは規模が小さいので、ユーザのラップトップで答えをチェックすることができますが、量子コンピュータが大きくなってくるとそのような方法でチェックすることは難しいと言えます。我々の研究を発展させることで、量子コンピュータが大規模になっても効率良く動作保証できることが期待されます。

Q.質問/コメント

量子コンピュータは何が凄いんですか?

A.回答

量子コンピュータは現在のコンピュータとは異なる原理で動作する計算機で、素因数分解などいくつかの問題を現在のコンピュータよりも高速に解くことが出来ると分かっています。

ポスター
連絡先

竹内 勇貴 (Yuki Takeuchi) メディア情報研究部 情報基礎理論研究グループ
Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp

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