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コミュニケーションと計算の科学
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専門家が二人一役で話します

話者融合による専門性の統合と学び合い

専門家が二人一役で話します
どんな研究

観光ガイドが観光地と外国語に詳しいなど、対話サービスでは複数分野に秀でたオペレータが必要な場合がありますが、そのような人は希少です。 本展示では、秀でた分野の違うオペレータが一緒に話すことで高度な問題を解決したり、実践を通して成長できる協働スタイルを提案します。

どこが凄い

精通分野の異なる二人のオペレータが二人一役で話す協働スタイルを提案しました。このスタイルにより、オペレータは複数の分野に跨る高度なサービスを提供できるようになり、また他者との協働をスムーズに進めたり、他者からの学びを感じられるようになることがわかりました。

めざす未来

少子高齢化や人口減少のため、主婦や高齢者など多様な人材の就労機会の促進が課題となっています。多様な人材が協働できる対話サービスを構築することで、より専門的なサービスを実現するとともに、多くの人の就労と成長を支援する社会をめざします。

専門家が二人一役で話します
関連文献

[1] T. Arimoto, R. Higashinaka, K. Tanaka, T. Kawanishi, H. Sugiyama, H. Sawada, H. Ishiguro, “Collection and analysis of dialogues provided by two speakers acting as one,” in Proc. the 21th Annual Meeting of the Special Interest Group on Discourse and Dialogue (SIGDIAL), pp. 323-328, 2020.
[2] 有本庸浩, 東中竜一郎, 田中宏, 川西隆仁, 杉山弘晃, 澤田宏, 石黒浩, “二人の話者が一人の話者として対話することによる対話内容・満足度への影響,” 第88回 言語・音声理解と対話処理研究会, pp.16-21, 2020.

展示説明ムービー
Q&A
Q.質問/コメント A.回答
Q.質問/コメント

二人二役に比べ二人一役の方が学びの満足度が高かったことに対して、その要因の分析結果や考察等あれば教えて頂きたいです。
二人二役の場合でも二人一役の場合と同様に、自身の知らない専門性に関する情報をチャットの中で目にする形になると思うのですが、満足度の差異は二人一役を演じることによるどのような側面において生じているのか興味があります。

A.回答

ご質問ありがとうございます。学びの満足感の要因については詳細な分析が行えていないため、推測を含んだ回答になってしまうのですが、二人一役状況の方がより緊密な共同作業が求められる側面があり、パートナーの発言を深く理解しようと促されたことによるものだと考えています。

Q.質問/コメント

質問2点ございます。
1つ目:利用者の質問に適切な専門家2名で回答することで高度な回答ができるというのは直感的にも理解できるのですが、1名の専門家としてふるまう(2名が1つのアカウントを共有)した場合と2名の専門家が別々のアカウントで回答した場合に、何か違いはあるのでしょうか?利用者からしたら同じ回答が得られるのでアカウントを共有した場合としない場合でどちらも変わらないように思いました。

2つ目:オペレータが2名1役を行うことで「満足度が高い」とありましたが、オペレータがそのように感じる理由が明確にあれば教えていただけないでしょうか。(「2名が1名の人間のフリをする」ことで、より「責任感」や「次から一人称で答えられるようにならないと」という気持ちを高めるのかなと推察しています)

A.回答

ご質問いただきありがとうございます。1名の専門家として振る舞うことによる利用者側メリットは、対話相手が見かけ上増えないことによる、話しやすさの向上になります。またオペレータ側メリットとしては教育効果に注目しております。2点目の、オペレータの満足度が高かった理由につきましては、責任感と言ってよいかはわからないのですが、二人バラバラに話すときよりも二人一役状況の方がより緊密な共同作業が求められ、パートナーの発言をより理解・吸収しようと取り組むことができたためではないか、と推察しております。今後の研究で検証を進められればと思います。ありがとうとございました。

Q.質問/コメント

多様な専門性を持つ人々がバーチャル空間で少しづつ労働力に提供して、あたかも一人のワーカーとして働くというコンセプトは、日立の行動デザインGrも提唱しており、(企業は異なりますが)その具体的な実現例として見ていました。
今回の実現例では、確かにユーザーの満足度は上げられますが、それに掛かるコストが単純計算で2倍(専門家2名の拘束時間)となります。そこの単純には両立しない課題を解決するアイディア・工夫を今後期待します。

A.回答

コメントありがとうございます。ご指摘の通り、協働は一人のワーカーでは対処できないタスクに取り組めるメリットがある一方、人数増加に伴うコスト的なデメリットが考えられます。この課題に取り組む1つの方向性は、こうした協働の場を、ユーザのためだけではなく、個々のワーカーの成長・訓練の場としても活用できるようにすることだと考えております。協働が実践的な訓練につながり、ワーカーの生産性が高まることにつながれば、コストを将来的に緩和したり新たな価値につながることを期待します。専門性の異なるワーカー同士の学び合いを促進できるよう、本研究法を発展させたいと考えます。貴重なコメントをありがとうございました。

Q.質問/コメント

二人一役を行う上での難しさはどこにあるのでしょうか。
オペレータが一人で対応できない場面では、
従来:内部で二人で相談後、回答。
本研究:ユーザへ二人が個別に回答。ユーザからは2人目が回答後、一つの回答として見える。
だと思いますが、2人の回答を合わせる部分が、2人目の回答努力に依存するところ?
それとも、回答者をアサインするところ?

A.回答

ご質問ありがとうございます。オペレータにとって二人一役を行う上での難しさは、違う二人の人間なのに相手からは一人に見えるよう、リアルタイムに発言を調整する点になります。今回の実験ではおよそ10分間チャットを続けました。また回答者のアサインについては、二人の専門性が明に別れていたことから、どちらが回答するかの決定には大きな混乱は生じませんでした。なお本研究で比較した従来法は、二人のオペレータがチャットに二人の人間としてそのまま参加しユーザと三者で対話する手法となります。

Q.質問/コメント

どのように二人一役をしますか?

A.回答

実験では,二人のオペレータが一つのテキストチャットアカウントを共有し,それぞれの得意分野によって交代しながら話しました.音声変換技術で二人の声を一人の声に統一した音声対話バージョンもあります.

Q.質問/コメント

二人一役とは何ですか?

A.回答

二人のオペレータが一人のふりをしてお客さんと話すスタイルです.

ポスター
連絡先

有本 庸浩 (Tsunehiro Arimoto) 協創情報研究部 インタラクション対話研究グループ
Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp

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