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豪速球を見極めて打つ脳力

素早い状況判断と運動制御を支える脳情報処理の仕組み

豪速球を見極めて打つ脳力
どんな研究

野球で時速150kmの豪速球を打つとき、打者は約0.4秒で球筋を見極めバットを操らなければなりません。しかし、正確な判断や運動には時間を要します。このような厳しい時間制約下でどのように判断と運動を両立させているのか、その脳情報処理の仕組みについて調べました。

どこが凄い

判断や運動の研究は個別に行われがちですが、両者は密接に関係すると考えられます。私たちは、判断と運動の関係性を評価するための打撃実験を行い、時間が厳しいと球筋を判断する効果は低下するが、その低下を補うために運動戦略を変える能力が重要であることを明らかにしました。

めざす未来

主に身体的な側面(体力面)から行われてきたアスリートの評価やトレーニングに対して、認知や運動制御など様々な脳の情報処理機能、いわば「脳力」面の評価や学習手法を確立することをめざしています。さらに、新たな才能発掘やスポーツ以外の領域での活用なども期待されます。

豪速球を見極めて打つ脳力
関連文献

[1] 小林明美, 木村聡貴, “ヒッティング課題における認知戦略の影響,” 電子情報通信学会技術研究報告, Vol. 118, No. 470, pp. 37-42, 2019.
[2] 小林明美, 木村聡貴, “意思決定の挙動は運動の冗長性に影響される,” 計測自動制御学会ライフエンジニアリング部門シンポジウム2020, 2020.
[3] A. Kobayashi, T. Kimura, “Go/No-go decision making under severe time constraints interferes with hitting task performance,” in Proc. The Society for Neuroscience 49th Annual Meeting, 2019.

展示説明ムービー
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Q&A
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ポスター
連絡先

小林 明美 (Akemi Kobayashi) 柏野多様脳特別研究室
Email: cs-openhouse-ml@hco.ntt.co.jp

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